2020年8月6日~7日、茂木外務大臣はロンドンでイギリスのリズ・トラス国際貿易相との交渉に臨み、ほとんどの分野で合意に達したと述べた。イギリス政府は、12月に終了するBrexit移行協定の終了に向けて、日本政府との協定締結に前向きであり、トラス国際貿易相は、「正式な合意が今後数週間で見込まれる」と述べた。

「交渉は前向きかつ生産的なものであり、デジタル、データ、金融サービスなどの分野での意欲的な条項を含め、EUと日本の取り決めを大幅に超える主な要素について合意に達した」と彼女は述べた。「私たちの共通の目的は、原則として8月末までに正式な合意に達することです。日英包括的通商協定は、自由で公正な貿易を志向する2か国のより強力な関係を築き、保護主義が高まる時代に、開かれた市場に対する世界的なコンセンサスを強化します。それはより多くの貿易と投資を提供し、国全体の企業と消費者に利益をもたらし、英国のレベルアップを助けるでしょう。」

また、茂木大臣は8月7日Teamsを使用したオンラインによる記者会見で下記の通り述べている。
「日英経済パートナーシップについて、両国は本年6月9日から交渉に入り、今日8月7日までに、全24章中、大半の分野で実質合意し、主要論点について私とトラス国際貿易大臣との間で認識の一致に至り、8月末までの大筋合意を目指すことで一致をいたしました。協定には投資サービス、電子商取引、競争政策の分野などでは日EU・EPAを越えるハイスタンダードでの内容、例えばアルゴリズムの開示要求の禁止にかかる規定や消費者保護にかかる規定の追加等を盛り込むこととし、現在最後の詰めを行っているところであります。日英経済パートナーシップ協定は日英両国間の貿易・投資の一層の拡大に繋がるもので、両国ビジネスの円滑な継続の確保の観点から、来年1月1日からの発効を目指して残された作業を加速化することで一致をいたしました。」(出典:外務省ホームページ

イギリスは日本産の自動車を輸入する際の関税を、日欧経済連携協定(EPA)と同様に段階的に下げ、2026年に撤廃することで合意した。
また、チーズについては、EPAの段階から枠数量が設けられ、枠内の税率を16年かけて無税にする予定であった(枠外は現状の税率を維持)。イギリスがブルーチーズの生産地ということもあり、この領域では優遇税制が求められている。

日本はイギリスにとっては11番目に大きい輸出市場であり、イギリスは日本にとっては12番目の輸出国となっている。
トラス国際貿易相は、この協定により、将来的に日本との貿易が年間約150億ポンド増加し、英国全体の賃金が8億ポンド増加すると予想している。