2020年8月3日、ユニクロの韓国現地運営会社であるエフアールエルコリアは、今月中にソウル・蔚山・釜山など地域の9つの店を閉店するを発表した。閉鎖となるのは、清酒メガポリス店(9日)、金海子供スクエア店(16日)、ホームプラス蔚山店(22日)、江南店(31日)と瑞草店(31)、新世界百貨店内(31日)、釜山ナンポドン店(31日)、大田ミラノ21店(31日)、牙山店(31日)。昨年は187か所あったユニクロの店舗は、165か所に減ることになる。昨年7月より続く不買運動に加え、新型コロナによる影響で、家賃と人件費の負担が重くなったためだ。これだけ多数の店舗が閉店するため、人員削減も必要になると見られている。
ユニクロの関係者は、「閉店が決定したのは事実」とし「新型コロナの流行や日韓関係悪化の外部要因の影響もあるが、韓国流通業界でオンライン消費が増加しているトレンドを反映し、流通チャネルを効率的に運営するために下した決定だ」と説明した。また、「9月には安城スターフィールドに新しい店を開くなど、新規出店は今後も継続方針」と付け加えた。
ユニクロは、2005年の韓国進出以来、名実共に韓国内を代表するSPAブランドとしての地位を固めてきた。しかし、昨年7月に日本の不買運動が本格化し、消費者は、日本のブランドに拒否感を示した。韓国内のユニクロはロッテと日本のファストリテーリング本社の50対50の合弁法人である。2015年に売上高1兆ウォンを達成した後、4年連続1兆ウォン以上を達成したが、昨年30%減の9749億ウォンを記録した。2000億ウォン台に達していた営業利益は、19億ウォン台の赤字に転換した。さらに、2018年9月に韓国市場に進出した姉妹ブランドGUも8月の国内事業を中断する予定である。
韓国のユニクロ(エフアールエルコリア)では、昨年、CEOが2回交代している。1年6か月ぶりにCEOになった前CEOは人事部宛のリストラ関連情報を全職員に送信してしまった。
2020年7月9日に行われたファーストリテーリング日本本社の決算発表会では、韓国事業について下記の通り述べられていた。
韓国の第3四半期3ヶ月間の売上は大幅な減収、営業利益は赤字となりました。
これは、日韓関係の影響に加え、新型コロナによる客数減により、既存店売上高が大幅な減収となったことによります。売上収益が計画を下回ったことに加え、店舗の減損損失を計上したことから、営業利益の赤字幅は計画以上に拡大いたしました。
(出典:ファーストリテイリング『2020年8月期第3四半期業績および通期見通し』P13)
不買運動、新型コロナ、身内の不祥事によるCEO交代。逆風下のユニクロに起死回生の挽回策はあるか?今後の動向が注目される。