シンガポールのリー・シェンロン首相は2020年7月10日、与党の人民行動党(PAP)が金曜日に83議席を確保し、総議席の89%と圧倒的多数を維持したが、人気投票は61%に下がったと述べた。議会で唯一の野党である労働党は、議席を6議席から10議席に増やした。野党がこれだけ多くの議席を獲得するのは独立以来初となる。
今回は新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックが発生して以来、東南アジアで初の総選挙として注目を集めていた。前回の2015年は議席の93%、総投票数の70%近くを占めていたことを考慮すると、PAPにとっての選挙結果は芳しくなかった。2人の大臣経験者をPAP内の大物政治家たちも敗北した。
リー首相は記者会見で、「それは私が望んだほどの権限(mandate)ではありませんが、十分に良い権限です」と語った。「この結果は、シンガポール人がこの新型コロナ危機で感じている痛みと不確実性を反映しています。これは気分が良い選挙ではなく、人々が実際の問題に直面しており、より荒天が来ると予想する選挙でした。」
記者会見の詳細は下記の動画参照(出典:CNA)
PAPは、1959年にリーの父親であるリー・クアンユーがシンガポールの最初の首相になったときから政治を一党支配してきた。
「シンガポールの状況を考えると、これはPAPにとっては敗北です」と、マレーシアのノッティンガム大学の名誉研究員であるビリジット・ウェルシュ氏は述べています。「PAPは当初、新型コロナ危機が有利に働くと考えて解散総選挙に打って出ましたが、結果としては過去最低の議席数と支持率の低下を招いたのです。」
シンガポールでは45,000件以上の新型コロナ症例が報告されており、そのほとんどが「三密環境」の寮に住んでいる外国人労働者であった。
今年の経済成長率は最大で7ほど低下すると予測されており、リー政権は総額717億米ドル相当の経済援助策を発表した。しかし、その効果は経済への影響はまだ出ていない。新型コロナウイルスの症例は以前よりは減少しているが依然として毎日100人を超えているため、今後は経済と感染症対策の両立を今後模索することになる。