中国のECサイトにおける違法出品者の規制状況

中国において新型コロナウィルス(COVID-19)の感染者が増加している頃、ほとんどのECサイト利用者は新型コロナウィルス(COVID-19)予防グッズの品切れに対して不満を持っていた。その上、すぐに商品を手に入れたいという心理につけ込み、高額販売をしたり、偽造品を売りつけたりする事業者が増え、中には自社の商品販売のために誤った情報を流す事業者も出てきた

そのため、最大のECサイト事業者であるアリババは、市場の健全性を保つため、他のECプラットフォーム事業者4社と「新型コロナウィルス(COVID-19)エピデミックのブラックリスト」を共有することにした。これにより、1つのプラットフォームでブロックされた事業者は、他のプラットフォームでの事業も停止されることになった。

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■ E-commerce in China (Resource from The Drum)

 

消費者にとってのECの環境をより良いものにするため、また、新型コロナウィルス(COVID-19)エピデミックに適切な対応を行うため、北京の商務局はAlibaba(阿里巴巴), JD.com(京東), Pinduoduo(拚多多), Weidian(微店), and Suning.com(蘇寧易)といった、人気ECプラットフォーム事業者と共同で、横断的な規制を設けることを発表した。

高額販売や虚偽の情報の流布、偽造品の販売といった重大な違反を起こした出品者に対し、商務局は他のプラットフォームに出品者情報を共有する。つまり、「1回の閉店で全てのオンラインショップを失う」政策と言える。このレポートによれば、2月には15のマスク販売ショップが閉店した。また、3月には5つのECプラットフォーム全体で47の事業者が閉店に追い込まれた。中国への越境ECに取り組む事業者は注意が必要である。

日本では新型コロナウィルス(COVID-19)の蔓延に伴い、2020年3月15日以降「国民生活安定緊急措置法施行令の一部を改正する政令」によりマスクの転売が禁止されたが、中国のECプラットフォームに比べると、そのスピード感は遅いと言わざるを得ない。

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